平成26年4月14日~16日にかけて、主に三重県、愛知県内の施設を訪問し研修を受けてきました。参加者は片野猛県議、小島義徳県議、石塚健県議、佐藤久雄県議と私の5名全員です。
14日は、私は電車で三重県津市へ、4名は新潟空港から中部国際空港経由で津市まで。合流後、最初は亀山市にある「シャープ亀山工場」で【酸化物半導体・IGZOの可能性について】、次に伊賀市にある「伊賀の里モクモク手づくりファーム」で【6次産業化の取り組みについて】翌日は、「愛知県庁」で【航空機産業育成の取り組み・航空宇宙産業クラスター形成特区について】次は、長久手市にある「トヨタ博物館」で【自動車産業の推移とエコ自動車の取り組みについて】次に、「豊田市内のエコモデル住宅など」に取り組んでいる【とよたエコフルタウン】を視察。最終日の16日は、「豊田市役所」で【交通システム・ハーモについて】次に、蒲郡市にある「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング社」で【再生医療への取り組みについて】最後に、名古屋市にある「トヨタ工業大学スマートビーグル研究センター」で【開発中の自動車システムについて】視察をして帰路につきました。今回の視察で、特に私は「6次産業化の取り組み」で成果を収めている・モクモク手づくりファームに大変興味を持っていましたので、視察に大変協力してくださいました木村修社長の体験談と今後の事業展開を聞いて感銘を受けたところです。なお詳細は、後日報告いたします。
○シャープ亀山工場で新開発・IGZOについて

 会社の資料によると、三重県亀山市に立地したのは2002年4月17日。県の企業誘致政策補助金135億円(三重県90億円・亀山市45億円)で、最新鋭の液晶テレビの一環工場としてスタート。最初は順調に業績を伸ばしてきたが、2009年に同社は大阪府堺市に、亀山工場の3.8倍の大規模液晶工場を建設し主力の場を譲った。同時期、世界的な景気後退から亀山工場を操業停止にした。件ならびに視から補助金返還を求められるなど苦境に立たされる。2011年からはアップル社のiphoneやipad、スマートフォンや携帯ゲーム機用ディスプレイが主力となり危機を乗り越えるにいたった。特に、2013年後半から、新開発のIGZOディスプレイの人気や任天堂の3DSLL用ディスプレイなどで稼働率が高まり経営が復活した。堺工場は鴻海グループに入ったため、再び、シャープの主力工場となったが、過去の失敗からIGZO以外にも多様な製品を生産している。(第1工場は、2004年1月稼動。延べ床面積は241,200㎡。第2工場は、2006年8月稼動。延べ床面積は279,100㎡。)
 工場案内は若い女性で、見学コース順に案内してくれた。液晶パネルが年代ごと、また、技術革新ごとに性能アップしていく様は、素人目にも興味を引き飽きないものでした。特に、4Kパネル(従来型のパネルの4倍・約829万画素)の画像は、地図情報の文字が鮮明に読めるものでした。このIGZOディスプレイの特徴を今後とも生かしていけば、これまでの厳しい経営状況も好転し、海外に負けない存在となると確信しました。関連して、3D映像を見ましたが、画面の動きには大変な迫力を感じました。そのほかのも、いろんな工夫が施されていて、工場の屋上はすべて太陽光パネルが敷かれて、壁面にもありました。また、製造過程で発生する排水は100%再利用、雨水の利用もありました。
予断ですが、我々5名のHPが液晶画面に映し出されてびっくりしましたが、案内の女性から「前もって身元調査に合格したから。」と言われ納得しました。最近は一般人として会社訪問する産業スパイもいるそうで、その対策とのことでした。皆関心が高く、時間オーバーしてしまいました。
○伊賀の里・モクモク手づくりファームについて

 創業者の一人である「代表取締役社長・木村修氏」から、苦労話をお聞きしました。
木村社長は、三重県経済連の養豚担当職員を脱サラ(1987年)。同僚の吉田修(獣医)と共に、伊賀地方の養豚農家18戸と農事組合法人「伊賀銘柄豚振興組合」を設立し、抗生物質の使用をしない肉質の改良に力を入れ、小さなログハウスで「手作りハム工房モクモク」を始めた。当初はまったく売れず苦労したそうですが、ある時、女性から「自分たちで手作りしたい。」と言われたことがきっかけで、1989年4月に「手作りウィンナー教室。」を開いたところ瞬く間に大盛況となり、来客用の食堂がオープン。その後、家畜加工工場運営(ハム、ソーセージ)地ビール製造、菓子や豆腐、地元野菜の直売所、野天もくもくの湯、ジャージーミルク工房、農村カフェ、焼豚専門館、農場運営(米、野菜、果樹、しいたけ)宿泊施設、通信販売、ギフト販売、直営販売店舗(県下4店舗、東京1店舗)貸し農園などなど次から次へと拡大して、現在では約敷地面積100ha6次産業化に取り組んでいる祖です。2012年の実績では、年商51億円、職員数(正職員140名、パート160名、アルバイト約700名)と大成功の事例です。木村社長は、「農業には夢もロマンもある。楽しいぜぇ。」また「生産からモノづくり、販売、サービス(農業公園、レストラン、宿泊)教育(食育学習、貸し農園)に至るまで、常に農業と向き合いつつ(農業の新しい価値の創造)に挑戦することが私たちの役割。」と、言っていました。
 若い社員の中に、東京大学卒や国立大卒業生の多くいるとのこと。今年6月には、本県の新潟市中央区に「食と花のにいがた交流センター」がオープンするそうです。木村社長は、沖縄県や韓国にも出店予定で、声がかかればどこにでも言ってノウハウを伝授するとのことでした。年間を通して、いろんなイベントを開催し、来客者を楽しませることが大切とか。モクモクとは、「園内には多くの木(森林)があること。手作りハムやソーセージは燻製が必要なこと。伊賀は忍者(煙のごとく消える)の里。」に関連したイメージから付けたそうです。
○愛知県の航空宇宙産業振興施策について

 愛知県庁には「次世代産業室」という部署があります。従来から航空宇宙産業のすそ野が広い中部地域は、全国の約5割を生産していて、世界の航空機(ジェット機)需要は、今後20年で約2倍の見込みとなり、大きな期待が珍しい部署を設置することになったようです。現在、国産ジェット機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」やボーイング787の増産、国産ロケット(H―2A、H-2B)の開発・生産の動きもあり、更なる航空宇宙産業振興の好機として、「アジア№・1航空宇宙産業クラスター形成特区」構想を推進し、産学官連携で研究開発などで中小企業参入を支援し、高度化と集積拡大に取り組むとしています。研究開発機能強化として「愛知県飛行研究センター」の運営、県とJAXAと「連携協力協定」を結び、中小企業などへの支援として「航空機部品供給システム研究会」の開催や技術者(高度な加工技術、製造技術など)の育成研修を行い、また、「航空宇宙産業販路開拓支援事業実行委員会(仮称)」を組織し、わが国最初の専門の商談会「エアロマート名古屋2014」を今秋に予定し、海外展開を行うそうです。特区では「平成23年12月に指定(名古屋市、半田市、関市、瑞浪市、各務原市、笠松町)を受け各種の規制緩和が実現したそうです。主なものとして、「工場立地に係る緑地規制緩和」「関税暫定措置法第4条の手続き簡素化」「既存工場増設にかかわる建築規制の緩和」「税制上の支援措置」「金融上の支援措置」「財政上の支援措置」などです。現在は、特区推進協議会を組織して諸問題に取り組んでいますが、協議会への加盟団体数(愛知県、岐阜県、三重県、長野県、静岡県)は、自治体数63団体、企業や団体数172団体だそうです。
 航空機の生産目標では、現在・月産5機から将来は月産15~30機となるそうです。大変なビックプロジェクトになることから、本県の優れた匠の技術も参入できれば、との思いを強くしたところです。

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